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PMS・PMDDが気になる方へ|食事バランス・栄養・腸活のヒント

2025年6月16日
読了時間: 10分

更新日:10月21日

生理前になると、イライラや気分の落ち込み、眠気、だるさ、むくみ、食欲の変化などが気になる。


「食事を変えたら少しラクになるのかな」「何をどのくらい食べたらいいの?」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。


PMS・PMDDは、食事だけで起きるものでも、食事だけで改善できるものでもありません。ただ、毎日の食事は体を動かすエネルギーや、体の働きを支える栄養素をとる大切な土台です。


この記事では、まず食事全体のバランスを大切にしながら、PMS・PMDDに悩む方に知ってほしい栄養素の働きや量の目安、身近な食材、腸活についてご紹介します。特定の食品に頼るのではなく、いろいろなものを組み合わせるヒントとしてお読みくださいね。



PMS・PMDDは、食事だけで起きるものではありません

PMS・PMDDには、月経周期に伴うホルモンの変化や、その変化に対する脳や体の反応など、複数の要素が関係すると考えられています。食事の偏りだけが原因とは限らず、食事を変えれば必ず症状が改善するとも言い切れません。


一方で、食事の量や内容、睡眠、忙しさなどは日々のコンディションに関わります。食事を振り返ることは、症状を自分のせいにするためではなく、体を支えるエネルギーや栄養が足りているか、毎日の暮らしを見つめる手がかりになります。


PMS・PMDDに対する食事の工夫も研究されていますが、特定の栄養素や食べ方で、どなたにも同じ効果があると確かめられているわけではありません。まずは「これを食べれば治る」と考えるのではなく、食事全体を調えることを基本にしましょう。


​

まず意識したいのは、食事全体のバランス

食事は、炭水化物・たんぱく質・脂質のどれか一つだけで成り立つものではありません。主食・主菜・副菜を基本に、乳製品や果物なども含めて、いろいろな食品を組み合わせることが大切です。

ごはん、魚、卵、豆腐、納豆、野菜、きのこ、海藻、果物、ヨーグルトなど、さまざまな食品を並べた水彩イラスト
  • 主食:ごはん、パン、麺、いも類など。体を動かすエネルギー源になります。

  • 主菜:肉、魚、卵、大豆製品など。たんぱく質や脂質などを含みます。

  • 副菜:野菜、きのこ、海藻など。食物繊維やビタミン、ミネラルをとる助けになります。

  • 乳製品・果物など:カルシウムやビタミン、食物繊維などを補う選択肢になります。


毎食すべてを完璧にそろえたり、毎日同じ食材を食べたりする必要はありません。数日単位で、主食・主菜・副菜やさまざまな食品が食卓に登場しているかを振り返ってみましょう。



「食べているつもり」でも、量や組み合わせが足りないことがあります

ダイエットで食事を減らす、忙しくて食事を抜く、家族の好みを優先して自分の食べたいものは後回しにする、食費を考えて量を控える。こうしたことが続くと、必要なエネルギーや栄養素が不足したり、食品の種類が偏ったりする場合があります。


反対に、たんぱく質を意識するあまり主食や野菜が少なくなるなど、特定の栄養素に偏ることもあります。体重だけで食事のバランスや栄養状態を判断することはできません。「何を食べているか」「食事を抜く日が続いていないか」を責めずに振り返ることから始めましょう。



栄養素の働きと、1日の目安を知っておきましょう

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、健康の保持・増進を目的とした基準です。下記は成人女性の一般的な目安で、PMS・PMDDを改善するための特別な摂取量ではありません。年齢区分などで数値が異なる栄養素は、おおよその範囲で示しています。


栄養素

身体での主な働き

成人女性の目安

食材・量のイメージ

たんぱく質

筋肉や臓器、皮膚など体をつくる材料になります。

推奨量は1日50g

卵1個で約6g、納豆1パック(約40g)で約7g、鶏むね肉100gで約23gが目安。肉・魚・卵・大豆製品などを食事に分けて取り入れます。

n-3系脂肪酸

体内でつくれない脂肪酸を含み、細胞膜など体の構成に関わります。

1日約1.7〜2.0g(年齢区分で異なる)

さば、いわし、さんまなどの青魚や、えごま油・亜麻仁油などに含まれます。魚の種類や調理法で含有量は変わります。

カルシウム

骨や歯の材料になり、筋肉の収縮などにも関わります。

推奨量は1日650mg

牛乳コップ1杯(約200mL)で約220mg、ヨーグルト100gで約120mgが目安。小魚・豆腐・青菜などにも含まれます。

食物繊維

おなかの調子を保つ働きに関わります。

目標量は1日18g以上

納豆1パック、豆類、きのこ、海藻、野菜、果物、全粒穀物など。食品ごとに含有量が異なるため、種類を組み合わせます。


※食品の栄養量は、商品・大きさ・品種・調理法で変わります。上記は量のイメージであり、毎日この食品を食べれば目標に達するという意味ではありません。

1日のエネルギーに占めるたんぱく質・脂質・炭水化物の割合にも目標範囲があります。たとえば18〜49歳では、たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%が目標量として示されています。毎食や一品ごとに計算するためではなく、食事全体のバランスを考える参考です。

必要な量は年齢、体格、活動量、妊娠・授乳、健康状態などで変わります。腎臓病などで食事指導を受けている方は、一般的な目安を自己判断で当てはめず、主治医や管理栄養士に相談してください。



PMS・PMDDが気になる方に知ってほしい栄養素

カルシウム

カルシウムは骨や歯の材料になるほか、筋肉の収縮などにも関わる栄養素です。PMSとの関連も研究されていますが、カルシウムを多くとれば症状が改善すると一律には言えません。まずは不足しないよう、乳製品、小魚、大豆製品、青菜などから日々とることを意識してみましょう。


n-3系脂肪酸

n-3系脂肪酸は、青魚や一部の植物油に含まれる脂肪酸です。さば、いわし、さんまなどの魚を主菜にしたり、植物油を料理に使ったりして、脂質の種類にも目を向けてみましょう。サプリメントで補う場合は、薬を服用中の方や持病のある方は医師・薬剤師に確認してください。


たんぱく質・ビタミン・ミネラル

たんぱく質は体をつくる材料です。肉・魚・卵・大豆製品など、いくつかの食品からとることを意識しましょう。また、野菜、果物、豆類、海藻、乳製品などを組み合わせると、ビタミンやミネラルも含めて食事の幅が広がります。


特定の栄養素だけを大量にとるより、主食・主菜・副菜を組み合わせ、いろいろな食品から必要なものをとることが基本です。サプリメントは食事の代わりではありません。利用する場合は、表示量を守り、複数製品の重複にも注意しましょう。



糖質を減らしすぎたり、たんぱく質に偏ったりしていませんか?

主食を抜くことが、いつも正解とは限りません

ごはん、パン、麺、いも類などに含まれる炭水化物は、体を動かすためのエネルギー源です。炭水化物を控える必要がある方もいますが、「太りたくないから」と主食を極端に減らすと、食事全体のエネルギーや食品の種類が不足しやすくなることがあります。


炭水化物は、甘いお菓子や砂糖だけを指す言葉ではありません。栄養成分表示では「炭水化物」と表示され、その内訳として「糖質」「食物繊維」が分けて表示される商品もあります。主食まで一律に悪者にせず、量や組み合わせを考えてみましょう。


たんぱく質は、多ければ多いほどよいわけではありません

たんぱく質は大切ですが、必要量は食事全体や体の状態によって異なります。プロテインや高たんぱく食品を追加する前に、普段の食事でどのくらいとれているかを確認しましょう。たんぱく質を意識するあまり、主食や野菜、果物、乳製品などが減っていないかも振り返ってみてください。


自炊をしなくても、食事の組み合わせは工夫できます

家事や仕事で時間がない日、家族の好みや食費を優先したい日もあります。自炊だけが正解ではありません。コンビニ、スーパー、惣菜、冷凍食品、外食も活用しながら、主食・主菜・副菜の組み合わせを考えてみましょう。


コンビニやスーパーで選ぶとき

  • おにぎりやパンなどの主食

  • 魚、卵、豆腐、納豆などの主菜

  • サラダ、野菜のおかず、具だくさんスープなどの副菜


たとえば、おにぎりと焼き魚、野菜のおかず。麺類なら卵や豆腐、野菜の小鉢を足す方法もあります。商品を選ぶときは、たんぱく質の数字だけでなく、エネルギー、脂質、炭水化物、食塩相当量なども含めて全体を見てみましょう。


外食やお弁当を選ぶとき

ごはんなどの主食、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜、野菜のおかずがある定食やお弁当は、組み合わせを考えやすい選択肢です。丼ものや麺類の日もあります。副菜を一品足せそうなら足す、難しければ次の食事で野菜や豆類を取り入れるなど、無理のない範囲で調整しましょう。


家族の好みや食費が気になるとき

家族と別の料理を用意しなくても大丈夫です。同じ食事を基本にしながら、自分に足りないものを卵、納豆、豆腐、冷凍野菜、具だくさんの汁物などで補う方法があります。毎食理想通りにそろえることより、数日単位で食品の種類を増やすことを意識してみましょう。



栄養成分表示を見るときのポイント

  1. 表示が「1包装あたり」か「100gあたり」かを確認する

  2. 1包装あたりの量と、実際に食べる量が同じかを見る

  3. たんぱく質だけでなく、エネルギー、脂質、炭水化物、食塩相当量なども合わせて見る


表示は、食品の良し悪しを決めるためではなく、食事全体の組み合わせを考える参考にできます。好きな食品だけに偏らず、いろいろな食品を選ぶ手がかりとして活用しましょう。



腸活は、特別なことより食物繊維と食事の幅から

腸活は、特定の商品やファスティングをしなければできないものではありません。野菜、豆類、きのこ、海藻、果物、全粒穀物など、食物繊維を含む食品を少しずつ取り入れることが一つの方法です。急に増やすとおなかが張る方もいるため、体調を見ながら増やしましょう。


納豆、味噌、ヨーグルトなどの発酵食品も、好みや体質に合うものがあれば食事に取り入れてみてください。毎日食べなければならない、特定の商品を使わなければならない、ということではありません。水分や食事のリズムも、便通を振り返るときの手がかりになります。


腸内環境を調えれば女性ホルモンやセロトニンが調い、PMS・PMDDが改善する、と言い切ることはできません。腸活は、食事の幅や便通、日々のコンディションを支える生活習慣の一つとして考えましょう。



東洋医学では、食べたものから「氣血」を養うと考えます

東洋医学では、食べ物や飲み物を消化吸収する働きを「脾・胃(ひ・い)」の働きとして捉え、そこから氣や血を生み、全身を養うと考えます。


食事を抜き続けたり、食べられる食品が限られたりすると、氣血を養う材料が不足しやすいと考えることがあります。また、氣・血・水の巡りや不足などから、心身の状態を捉える考え方もあります。これは東洋医学の見立てであり、現代栄養学の栄養素や医学的な診断と同じものではありません。


一つの食材やタイプに決めつけず、今の自分の食事や体調を見つめる視点として役立ててください。



今日からできること

一度にすべて変える必要はありません。まずは、次の中からできそうなことを一つ選んでみましょう。


  • 主食・主菜・副菜がそろっているか、1日の食事を振り返る

  • 食材がいつも同じになっていないか、別の食品を一つ加えてみる

  • 栄養成分表示で、1包装あたりの量と複数の栄養成分を見る

  • 食物繊維を含む豆・野菜・きのこ・海藻などを、食べられる範囲で取り入れる

  • 食事や便通、PMSの症状を月経周期と一緒に記録してみる


食事は、PMS・PMDDの治療に代わるものではありません。症状が強く、仕事や家族との関係など日常生活に大きく影響している場合は、食事だけで対処せず、婦人科などの医療機関へ相談してください。症状の時期や強さを記録しておくと、受診時に伝える助けになります。

バランスを基本に、栄養素の働きや目安を知り、いろいろな食品からとる。できる範囲の食事の工夫を、毎日の体を支える一歩にしていきましょう。



PMS・PMDDについてもっと知りたい方へ



kokokara鍼灸Pranaでは、PMS/PMDDの症状改善に特化した鍼灸・アロマ+栄養・生活アドバイスを行っています。「ちゃんと向き合いたいけど、自分ではどうしたらいいか分からない…」という方は、いつでもご相談くださいね。


参考資料


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