更年期症状・障害
〈 30代後半以降 のぼせ・ホットフラッシュ・冷え・イライラ・不安感・周期の乱れなど〉
01.更年期とは
更年期とは誰にでも訪れる期間。
女性では閉経の前後5年、トータル10年間の期間。
男性では特に決まっておらず、40歳代以降の場合が多く、終わりの時期(年齢)は特に決まっていません。
02.更年期症状と障害
更年期症状とは、更年期間中に現れる様々な症状の中で、他の疾患を伴わないものを言います。
更年期障害とは、更年期症状の中でも特に症状がツラく、日常生活に支障をきたす状態を言います。
03.更年期の主な症状
更年期の症状は多岐にわたります。
1.精神神経症状系
頭痛・めまい・不眠・不安感・イライラ感・うつ
2.血管運動系
ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)・動悸・息切れ・寝汗・発汗・むくみ
3.皮膚粘膜系
喉の渇き・ドライアイ
4.運動器関係
肩こり・腰痛・背中の痛み・関節痛・しびれ・手指の痛み・しびれ・変形
5.泌尿器 生殖器系
月経異常・尿失禁・性交痛・デリケートゾーンの痒み、乾燥
04.コレって更年期症状??セルフチェック
更年期症状は、簡略更年期指数:SMI というものがあり、セルフチェックが出来ます。
05.施術を受けるタイミング
30代後半以降の方で、「踏ん張りがきかない」「疲れやすい・疲れが取れにくい」「痩せにくくなった」「ココロとカラダがついて行かない」「なんか落ち込む」と感じた時。
既にその時から時間が経っているときは、下記のチェックシートの結果を基に、40歳以降で症状が複数該当した場合は早めのケアをおススメします。
また、医療機関との併用ケアも可能です。
06.更年期の原因
〈東洋医学的更年期症状・障害〉
東洋医学には、更年期症状・障害を表す用語はありませんが、「血の道症」の1つとされています。
「氣血水」の「血」の不調との他、「氣」の不調と考えられます。
関連臓腑は「肝」「脾」「腎」です。
「血」はその名の通り東洋医学でも「血液」を示し、更年期の「血」の不調としては、血が滞りや塊ができやすい状態の「血瘀」と血が足りない「血虚」があげられます。
①血虚
原因は、「食事や睡眠の不規則および不足、出産や月経などで血液の量や栄養が失われること、消化不良などで十分に補給できないこと、長患い」などです。
近年では、健康を意識するあまり健康と言われる食品の偏った摂取、欠食や遅い時間の食事などの食リズムの変化、偏ったダイエットや繰り返すダイエットにより、胃腸への負担が増加し、食べているけど吸収が出来ていない状態の方が多いのが特徴です。
②血瘀
原因は、「ストレス・運動不足・冷え」などです。
ストレスや冷えなどにより血管が収縮するため必要臓器(更年期の場合は、脳・卵巣・子宮など)に必要な血液が届かなくなり機能の乱れが起こります。
血液の流れは筋肉運動でも支えれているため、運動不足により流れが鈍化します。
血液は、酸素・栄養素・ホルモンを届ける役割があるため、必要箇所に届かず機能低下につながります。
長期的に流れが鈍化することで起こるのが、滞りです。
血自体が滞ったことを「瘀血(おけつ)」と言い、血の塊を意味します。
③気虚
血の働きには、「氣」が関与しているため、「氣」の不調も原因でもあり、更年期では特に「氣虚」があげられます。
「氣虚」の原因は、「長期の疲労・睡眠不足、食生活の乱れ、ダイエット」などです。
更年期は、気虚の中でも特に生殖機能・泌尿器機能を担う「腎」の氣が不足することで起こると言われています。
腎虚は、氣の流れを乱し、逆行させてしまう特徴があることから、「氣逆」と言われていますが、更年期では、心臓で温められた熱が下部へ行かず上にのみ流れることから、ホットフラッシュ・のぼせ・冷え・動悸・イライラ・ボーっとする、集中力が欠けるなどが起こると考えられています。
〈現代医学的 更年期症状・障害〉
現代医学では、更年期の原因は、
① 加齢と女性ホルモンの急激な変化
② 性格などからの心理的要因
③ 仕事や家族など生活・社会環境
など様々な要因が重なることで起き、
ストレスの疾患の1つとも捉えられています。
① 加齢と女性ホルモンの急激な変化
年齢を重ねていくことで内臓器の機能も衰えていきます。
特に卵巣の機能は加齢によって衰え、女性ホルモンの分泌が激しく変化します。
急激に女性ホルモン分泌が減少し、脳から分泌指令を出す
↓
卵巣は指令に合わせた量を分泌できない
↓
増えないから脳はさらに指令を出す
の繰り返しで脳がパニックを起こします。
エストロゲンの急激な変化とよく言われますが、エストロゲンとプロゲステロンはともに関わりあいながら分泌されるホルモン。
プロゲステロンの分泌減少も更年期症状には大きく関わります。
2種類の女性ホルモンの分泌バランスがとても大事なのです。
② 心理的要因
ホルモンの変化は避けられませんが、そのホルモンの影響を受けやすい人がいらっしゃいます。
中でも、ストレスを感じやすい方。抱えやすい方。
これは、思考の癖、ココロでの捉え方の癖からくるものなので、心理的要因・性格などと考えられています。
特に「性格的に真面目で完璧主義、頑張り屋さん」は、日常生活や会社などで、頑張るがゆえにストレスの種類も多くなり、常にストレスを抱えている状態。
ストレスを解放することも大切です。
③ 仕事や家族関係などの環境要因
更年期を迎える頃は、仕事や家族関係の変化が訪れる頃です。
仕事ではそれなりの役職についていたり、それに伴い、仕事内容も変わってきます。
家庭では、子供の独立や親の介護など、役割の変化あります。
仕事でも家庭でも、自分以外の周りの変化の時期と更年期が重なることで、ココロもカラダも疲労しやすくなります。
07.更年期症状・障害と鍼灸治療
カウンセリングは、月経周期や経血量・色・便通変化や食欲変化などをお伺いします。
また、更年期は、ストレス・ホルモンバランスの変化・体力の変化が同時に起こる時期のため、様々な症状が出やすい時期たのめ、生活習慣(生活リズム)もお伺いします。
お着替え後、お腹に触れて行う腹診や脈の状態を診る脈診を行います。
鍼灸治療は、背部や腰回り・脚へのお灸施術が多く、
アロマセラピーは、月経周期に合わせた調香を行い、
リンパ液や血の流れを促すためのリンパドレナージュと
女性に関わる経絡に働きかける経絡トリートメント
を取り入れたオイルトリートメントが特徴です。
主な目的は、
骨盤内臓器の血流Upや
ホルモン分泌促進やバランスを調整、
氣血水の循環促進、特に氣(き)・血(けつ)の機能調整
鍼灸の経験や部位により、使用するハリの太さやお灸の熱さレベルは適したものを使用します。
また、鍼は刺すだけでなく、鍼先だけを皮膚に軽くちょんちょんと当てる散鍼や
先の丸くなったてい鍼でのツボ押しや皮膚を擦る擦鍼、
コロコロと皮膚上を転がすローラー鍼などを刺さない鍼を使用することもあります。
鍼灸初心者の方も安心してお受けいただけます。
参考)女性基本経穴(ツボ):三陰交、血海、子宮、気海など
更年期におススメのAroma精油:ゼラニウム・クラリセージ・イランイラン・ラベンダー・スィートオレンジ・など
08.更年期症状・障害とアロマセラピー
カウンセリングは、月経周期や経血量・色・便通変化や食欲変化などをお伺いします。
また、更年期は、ストレス・ホルモンバランスの変化・体力の変化が同時に起こる時期のため、様々な症状が出やすい時期たのめ、生活習慣(生活リズム)もお伺いします。
お着替え後、お腹に触れて行う腹診や脈の状態を診る脈診を行います。
鍼灸治療は、背部や腰回り・脚へのお灸施術が多く、
アロマセラピーは、月経周期に合わせた調香を行い、
リンパ液や血の流れを促すためのリンパドレナージュと
女性に関わる経絡に働きかける経絡トリートメント
を取り入れたオイルトリートメントが特徴です。
主な目的は、
骨盤内臓器の血流Upや
ホルモン分泌促進やバランスを調整、
氣血水の循環促進、特に氣(き)・血(けつ)の機能調整
鍼灸の経験や部位により、使用するハリの太さやお灸の熱さレベルは適したものを使用します。
また、鍼は刺すだけでなく、鍼先だけを皮膚に軽くちょんちょんと当てる散鍼や
先の丸くなったてい鍼でのツボ押しや皮膚を擦る擦鍼、
コロコロと皮膚上を転がすローラー鍼などを刺さない鍼を使用することもあります。
鍼灸初心者の方も安心してお受けいただけます。
参考)女性基本経穴(ツボ):三陰交、血海、子宮、気海など
更年期におススメのAroma精油:ゼラニウム・クラリセージ・イランイラン・ラベンダー・スィートオレンジ・など
08.更年期のダイエット
〈原因〉
更年期の女性の「太りやすさ」「痩せにくさ」の原因は大きくは2つ。
原因①女性ホルモンの分泌変化
原因②筋肉量減少に伴う基礎代謝減少
原因①女性ホルモンの分泌変化
女性ホルモンのエストロゲンには脂質代謝を促進する働きがあります。
エストロゲンが減少すると、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が増加しやすくなります。
また、2大女性ホルモン:エストロゲンとプロゲステロンの分泌量の急激な変化は、自律神経の乱れに繋がります。
自律神経は、情緒や食に関する指令に関わるため、過食につながることが多くなり、太りやすさ・痩せにくさへつながります。
原因②筋肉量減少に伴う基礎代謝減少
年齢共に筋肉を構成する筋繊維数が減少し、筋繊維が萎縮するため、筋肉量が低下します。
また、萎縮は動かない事が原因でもあります。
運動不足の他、更年期症状・障害により外出が減ってしまうなど活動量が減ってしまう事が委縮に繋がるとも考えられます。
筋肉はエネルギーを大量に消費する組織で、基礎代謝(身体を動かさなくても消費されるエネルギーで、呼吸や体温の維持、内臓を動かすために必要となるエネルギーのこと)に大きく影響します。
エネルギーを使わないことで太りやすさ・痩せにくさへとつながります。
〈対策〉
ダイエット対策①:バランスの良い食生活 = 「血瘀」「血虚」対策
カラダの各機能の情報交換をしながらバランスを取っている人のカラダは、フジロックフェスティバルのようなもの。
各拠点でのステージを円滑に運営するために様々なエネルギーが必要になります。
栄養のバランスとリズム良い食事を心がけましょう。
ダイエット対策②:胃腸を養う=「血瘀」「血虚」「気虚」対策
エネルギーをしっかり補給すために胃腸を労わり、養いましょう。
Step1 胃腸の負担を減らす
①満腹にしない:食べられるけどお腹いっぱいになるかも程度で食事は終了
②食事は寝る3時間前まで:難しいなら2時間前まで
③夕食は軽めに:寝るだけなので、少な目でOK
④しっかり噛む:咀嚼も消化活動の1つ
⑤冷たい物・熱すぎるもの・生もの・乳製品・甘いものを控える
⑥食後すぐ横にならない
Step2 カラダの除湿
①乳製品、人工甘味料を控える
②発汗する(運動・入浴・足湯・サウナなど)
③お茶:トウモロコシのひげ茶、ハトムギ茶
Step3 氣血を養う
①バランスの良い食事
③温かいものを摂る
上記3つとも推奨ですが、Stepで進めることも重要です。
食事から行う事は簡単ですが、疲労した胃腸では吸収をすることが出来ません。
逆効果になるので、出来れば、Step順で。
「控える」から「避ける」へのStepも踏んでいきましょう。
特にStep1は大変かもしれませんが、カラダの中に余白があると氣血水も余白に向けて流れやすくなり、貯蓄できるようになります。
ダイエット対策③:活動量Upと継続
運動と言われるとハードルが高いと思う方が多いと思います。
運動が出来れば一番ですが、まずはカラダを動かし活動量を増やしましょう。
カラダを動かす時間をまずは10分プラスからスタート。
週に2~3回から始め、徐々に毎日。
週末などまとめて時間が取れる時は、20~30分プラスすることを推奨します。
週末にウォーキング10kmは避けましょう。動くことは大切ですが、継続も大切。やり過ぎない事です。