月経困難症
〈 生理中の不快な症状 〉
生理痛・頭痛・倦怠感・吐き気・経血量が多いなど
01.具体的な施術方法とアロマ
カウンセリングは、月経周期や経血量・色・便通変化や食欲変化などもお伺いします。
お着替え後、お腹に触れて行う腹診や脈の状態を診る脈診を行います。
鍼灸治療は、背部や腰回りへの施術でお灸が多く、
アロマセラピーは、月経周期に合わせた調香を行い、
リンパ液や経血の排出を促すためのリンパドレナージュと
女性に関わる経絡に働きかける経絡トリートメント
を取り入れたオイルトリートメントが特徴です。
主な目的は、
骨盤内臓器の血流Upや
ホルモン分泌促進やバランスを調整、
氣血水の循環促進、特に氣(き)・血(けつ)の機能調整
鍼灸の経験や部位により、使用するハリの太さやお灸の熱さレベルは適したものを使用します。
また、鍼は刺すだけでなく、鍼先だけを皮膚に軽くちょんちょんと当てる散鍼や
先の丸くなったてい鍼でのツボ押しや皮膚を擦る擦鍼、
コロコロと皮膚上を転がすローラー鍼などを刺さない鍼を使用することもあります。
鍼灸初心者の方も安心してお受けいただけます。
参考)女性基本経穴(ツボ):三陰交、血海、子宮、気海など
生理期におススメのAroma精油:ゼラニウム・クラリセージ・イランイラン・ラベンダー・スィートオレンジなど
02.施術を受けるタイミング
初回は、排卵期~月経直前(黄体期・高温期)の受診をお勧めします。
*生理期間中も可能ですが、ツラい場合が多いので生理前が推奨時期です。また、生理中の五行体質別ハーバルスチームは衛生管理のため、お受けいただけません。
また、ご自身の対処療法として、鎮痛剤を飲むことがあるかと思います。
その鎮痛剤の
・服用量が増えている
・効き目が薄くなっている
時は早めの受診をお勧めします。
03.月経困難症とは
月経困難症とは、月経期(生理期)に起こる生理痛(下腹部の痛みや腰痛・頭痛などの痛み)や吐き気、倦怠感、経血量が多い(過多月経)、イライラなどココロとカラダの症状にお悩みの状態。
月経困難症は放置することで、QOL(Quality of Life)の低下や不妊症などの原因となります。
何かしらの症状をお持ちの方が多く、市販薬で対応可能であったり、病気ではないという認識から婦人科への受診率の低下も見られます。
04.月経困難症の主な症状
月経困難症の症状は多岐にわたります。
1.痛み
下腹部痛、腰痛、頭痛、胃痛
2.精神神経症状
疲労・脱力感、イライラ、憂うつ
3.消化器系症状
食欲不振、胃痛、胃のむかつき、吐き気、下痢、便秘、お腹のハリ
4.泌尿器 生殖器系症状
月経過多(経血量が多い)、デリケートゾーンの痒み
5.貧血
05.月経困難症の種類
月経困難症は大きく2つの種類に分類されます。
① 機能性月経困難症:原因疾患がない
月経の初日~2日目ごろの出血が多いときに強く、排卵がある周期で起こりやすい傾向があります。
年齢と共に、また、妊娠や出産によって軽減することがあります。
② 器質性月経困難症:原因疾患や形状異常がある(先天性器奇形・子宮頚管狭窄・卵巣嚢腫・子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症・骨盤内炎症性疾患・骨盤癒着など)
疾患は、30歳以上に多く見られるが、近年10~20歳代の子宮内膜症が増加傾向にあるため、機能性月経困難症との見極めも必要です。
06.月経困難症の原因
月経困難症の原因は
① プロスタグランジンの過剰分泌
② 子宮口が狭い
③ ストレス
④ 運動不足・冷え
があげられます。
① プロスタグランジンの過剰分泌
子宮の内側ではがれ落ちた子宮内膜をカラダの外に出すために子宮を収縮させるプロスタグランジン(出産のとき、陣痛をおこす作用もあります)という物質が出てきます。
これが過剰に分泌された結果、子宮が収縮しすぎて子宮の血流が悪くなり、結果、痛みが起こる、とされています。
妊娠をしなかった場合は、剥がれ落ちた子宮内膜を出すために多く分泌される傾向があります。
また、排卵のなかった周期は、分泌されないと言われています、
プロスタグランジンは、子宮だけでなく、血管や内臓器(特に胃腸)の収縮にも作用するため、生理とはあまり関係のないような胃痛や頭痛なども引き起こします。
その他、プロスタグランジンは、痛み物質の分泌を誘発する働きもあるため、分泌により痛み全般の誘発が見られます。
(血管の収縮には、セロトニンの減少も関わっています。エストロゲンが減少するとセロトニンも減少します。)
② 子宮口が狭い
若い方や出産経験のない方は子宮と腟をつなぐ部分が狭くてかたいためスムースに月経血を送り出せずに痛みが起こります。
また子宮口が狭いことから月経血が逆流して卵管を通って骨盤内に流れ込み、月経血に含まれるプロスタグランジンによって痛みが出る事も考えられます。
③ ストレス
ストレスにより、ホルモン分泌バランスの崩れや自律神経のアンバランスなどが現れます。
睡眠不足や食生活への影響により、栄養や運動が不十分になり血液・リンパ液の循環が悪くなったり、冷えなどの症状を起こしやすくなることで、カラダの機能が正常に働かないことで疾患に繋がりやすくなります。
「月経は痛い」「月経は嫌」「月経はうっとうしい」などの思い込みから起こることもあります。特に痛みは記憶される傾向があります。
④ 運動不足・冷え
運動不足や冷房・薄着・下着の締め付けなどにより血流を悪くすることも痛みを起こりやすくする、といわれています。
07.私って月経困難症?
月経困難症の8チェック!
当てはまるものが多い時には月経困難症の可能性が考えられます。
① 生理痛などの症状が原因で起き上がれない
② 生理痛などの症状で仕事や学校を休むことがある
③ 以前より生理痛などの症状がひどい
④ 鎮痛剤などの量が増えた
⑤ 生理中は鎮痛剤が手放せない
⑥ 生理期以外に不正出血がある
⑦ 排尿痛や性交時に子宮・下腹部が痛む
⑧ 生理中に発熱、下痢、嘔吐がある
特に、⑥~⑧が当てはまる場合は、疾患が隠れている可能性がありますので、自己判断・自己対応をせずに、婦人科への受診をお勧めします。
08.月経困難症と栄養
飽食時代の今は、消化に多くのエネルギーや栄養成分を使用してしまい、月経期に必要な栄養を奪ってしまうため、摂取してプラスするよりもマイナスすることに重点を置くことをおススメします。
月経期は特に避けるべき食品
・白砂糖
・チョコレート
・チーズ
・マーガリンなどトランス脂肪酸
・飽和脂肪酸を含む食品(牛脂、ラード、バター、牛乳など)
・カフェイン(コーヒー・紅茶・玉露など)
・旬ではない野菜
・ファストフードやスナック菓子
・アルコール類
・冷たい飲み物
これらは、カラダを冷やしてしまったり、血管や子宮の収縮を促進してしまうからです。
特に、「チーズ(cheese)・チョコレート(chocolate)・コーヒー(coffee)は、「3つのC」と言って、子宮や血管を収縮させる成分「チラミン」を含んでいるので要注意!
また、甘い食べ物や飲料には白砂糖が多く使われているので、代謝に多くのビタミン・ミネラル・酵素が使われてしまいます。摂り過ぎてしまうと、月経時に必要なビタミンミネラルが使われることになり、月経困難症を悪化させる原因となります。
月経期だけでなく、日ごろの生活でもマイナスできそう・代替出来そうと思われる食品は、少しずつ減らしていきましょう!
月経困難症にお悩みの方に積極的に摂取して欲しい
おススメの栄養素は、
・n-3系脂肪酸を多く含む脂質
・亜鉛
・鉄
・銅
これらの栄養素は、血管を広げる効果や子宮の過度な収縮をやわらげたりする効果があり、経血のスムーズな排出を促す効果が期待できます。
また、月経の根本ともいえる、ホルモン。
そのホルモン生成に必要なたんぱく質や脂質をしっかり摂ることも日ごろからの食生活に取り入れると月経困難症改善の手助けになります。
たんぱく質と脂質はホルモンだけでなく、酵素の原料になるので、ちょっと意識して摂取しましょう。でも、急激に摂取をするのは体調不良を起こしますので、月経期だけでなく、日ごろからの摂取が負担なく行えます。
これらを多く含む食品は
・納豆
・豆腐
・魚介類
・肉
・発酵食品(味噌、甘酒、発酵ドリンクなど)
・ナッツ類
・海藻類(わかめ・昆布・海苔など)
・玄米
・ココア
・牡蠣
たんぱく質は肉や魚などの動物性と植物性どちらかに偏ることなく摂りましょう。
それぞれに良い栄養素を含んでいるからです。
動物性たんぱく質である肉や魚を避けるべきとしている情報もありますが、量や部位、調理法、食べ方をちょっと工夫することで、動物性たんぱく質もヒトのカラダには必要なものです。
・過剰な脂質や飽和脂肪酸を摂り過ぎないように脂身の少ない物
・ボイルや蒸す、素焼き(オイルを使わない)
・遅い時間の食事(摂取)を控える
・ビタミン、ミネラルを多く含む食品もしっかり食べる
などです。
そして必須の食事方法は、
「よく噛んで食べる」
です。
消化に負担をかけず、体内に取り込むための吸収をスムーズに行う最もコストのかからない方法です。
咀嚼回数を上げることで、満腹中枢も刺激され、過食を防げる!
ダイエット効果があります。