【人生100年時代】に向けたココロとカラダ作りのためのたんぱく質の摂り方について2回目です。
2回目はカラダに摂り込む大きさのアミノ酸とたんぱく質の不足or過剰で起こる症状と摂取についてです。
5.必須アミン酸とアミノ酸スコア
私たちのカラダを作るために必要なアミノ酸は、実は20種類。
アミノ酸の20種類のうち、11種類は自分自身の体内代謝活動で作ることが可能ですが、残りの9種類は体内代謝活動では作られないので、摂取しなければいけません。この9種類を必須アミノ酸と言います。
9種類のアミノ酸は、
「フェニルアラニン・ロイシン・バリン・イソロイシン・スレオニン、ヒスチジン・トリプトファン・リジン・メチオニン」です。
必須アミノ酸を含めた20種類の組み合わせ方や順番、個数の違いで、皮膚や髪、ホルモンが作られます。
重要な必須アミノ酸の吸収にはバランスがとても大事です。
そのバランスを「アミノ酸スコア」と言い、スコアが良いたんぱく質が学問上優良な(良質な)たんぱく質と言われます。
バランスが大事というのは、摂取した必須アミノ酸の吸収は、最低配合量のアミノ酸に基準が置かれるからです。
例えば、必須アミノ酸9種の配合量が、以下の場合
フェニルアラニン 100
ロイシン 90
バリン 80
イソロイシン 95
スレオニン 50
ヒスチジン 20
トリプトファン 40
リジン 10
メチオニン 70
最低配合量のリジンが基準になり、他の8種類すべてのアミノ酸は10しか吸収できません。最高量のフェニルアラニンの90%は吸収&利用できないという事です。
そのためアミノ酸スコア100の食品を摂取することが効率的です。
動物性たんぱく質の多くがアミノ酸スコア100のものが多いため、効率よく摂取できるというわけです。
ちなみに植物性たんぱく質は他の食材を組み合わせることでアミノ酸スコアのバランスが調います。
そのバランスは和食です。
基本的な和食、「ごはんとお味噌汁と納豆」の組み合わせは最高で、更に鮭などの動物性たんぱく質をプラスした和定食などで動物性・植物性・アミノ酸スコアのバランスが調うようになります。
私見ですが、食事は五感「味覚」「聴覚」「嗅覚」「視覚」「触覚」で楽しむもの。
誰と食べるか?どんな気分で食べるか?など
も大切にしたうえで、食材が持つ栄養素が活きてくると思います。
偏ることなく楽しく食事をすることも消化・吸収の大事な条件です。
アミノ酸はサプリでの摂取も可能です。
例えばBCAA。BCAAは、筋肉Up、筋肉損傷を防ぐアミノ酸です。
*BCAA=Branch Amino Acid(分岐鎖アミノ酸)
また、必須アミノ酸のみのサプリもあり、あまり聞いたことがないかと思いますが、EAAです。
*EAA=Essential Amino Acid
EAAとBCAAのどちらか一方の摂取でOK。
ただ、少しコストがかかるかもしれません。食品より吸収しやすいのが特徴です。
6.たんぱく質(プロテイン)不足で起こる症状
部品とエネルギーを作るたんぱく質の不足は、様々な症状を引き起こします。
生命維持のためのエネルギー産生が優秀なのは糖質です。
糖質不足があると、たんぱく質からエネルギーを作らなければいけません。
カラダの部品である内臓器や筋肉、髪、皮膚、爪を分解しエネルギーを作り出します。
さらに、ホルモンや神経伝達物質、酵素の産生も抑制されます。
部品は足りない、エネルギーも足りない・・・不調症状が様々です。
・記憶力の低下
・集中できない
・睡眠障害
・感情の不安定(イライラ・落ち込み・悲しみなど)
・貧血
・基礎代謝低下→太りやすい、痩せにくい、肥満
・ボディラインのたるみ
・免疫力低下
・骨折のリスクUp
・肌、髪、爪トラブル
・むくみ
・疲れやすい
・低体重児出産(酵素不足の胎児)
・筋トレ効果がない
・月経トラブル(生理痛、生理不順、PMS/PMDDなど)、更年期症状
・口内炎
・季節不調
・お腹が空きやすい
・お腹が張りやすい
・ポッコリお腹(筋不足)
・脱毛、白髪
・成長障害
・冷え性
・肩こり、腰痛
・サルコペニア(筋肉減少症)
・うつ病
・消化不良
・認知症になりやすい
・ホルモン分泌アンバランス
・疲れが抜けにくい
と多岐に渡ります。
7.たんぱく質過剰で起こる症状
前述しましたが、
・胃腸トラブル:胃もたれ、お腹が空かない、ガスが増える、ガスや便が臭い、お腹のハリ、ゴロゴロ、下痢、便秘、排便の切迫感、げっぷ、
・肌荒れ
・むくみ
・疲れやすい
・免疫力低下
などです。
たんぱく質の消化のため胃・十二指腸・膵臓・肝臓・腎臓・大腸への負担が増すからです。
また、動物性たんぱく質の過剰摂取は、カロリー・脂質オーバーかつ食物繊維不足もあり、肥満や生活習慣病のリスクが上がります。
植物性たんぱく質の過剰摂取は、必須アミノ酸不足、アレルギーや反応過敏につながります。
何事もほどほどに適量を食べることが大切です。
8.必要摂取量と上手な摂取の仕方
最低限生きるために必要な量は、
体重10㎏につき10g、体重50㎏なら50gです。
まずはこの量からと言いたいところですが、以下の方は20~30g/日から始めましょう。
・胃腸虚弱の方
・たんぱく質(プロテイン飲料など)摂取後に胃もたれ、お腹が空かない、ガス、お腹のハリ、ゴロゴロ、下痢、便秘、げっぷが増える方
摂取直後でなくても、たんぱく質を意識して摂るようになってから、上記のような症状が出た方は、たんぱく質が消化できていないことが考えられるため、一度20~30g/日に減らした後、徐々に負担のない量で増やしていきましょう。
また、プロテイン飲料の場合、のど越しが良いため、水の様に飲んでしまいがちですが、咀嚼をしながら飲むことをおススメします。
飲み物を咀嚼?
と思うかもしれませんが、咀嚼と言う動作は胃酸の分泌を促します。
飲み物でも胃で消化を助けるために胃酸が必要です。
吸収できるようになったら、体重10kgつき10g。
そして、活動量によっても変わりますが、ココロとカラダの健康を考えるなら、必要量の1.3~2倍に増やしていきましょう。
〈たんぱく質の摂取量と摂取の仕方〉
Step1.20~30g/日
↓
Step2.体重10kgにつき10g (例)体重50kg→50g
↓
Step3.体重の1.3~2.0倍の量
摂取のタイミングは、いつでもOKです。
食事に合わせず、少量をこまめに摂ることも良いです。
胃腸虚弱の方は、少量はもちろんですが、食後やちょっとした物を食べてからプロテイン飲料などを咀嚼して飲むこともおススメします。
摂取する時間は、神経質にならずに摂り入れましょう。
胃腸虚弱の方には、吸収の良いEAAサプリもおススメです。
〈1回目はこちら〉
9.食品のたんぱく質量
10.プロテイン飲料の種類と比較
11.コンビニで気軽にたんぱく質摂取
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