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01.東洋医学的考え方

のどから胸の辺りに異物感やつかえた感じがする、飲み込むことも出すことも出来ないような症状を東洋医学では「梅核気(ばいかくき)と言います。梅の種(核)が詰まっているような感覚から名付けられました。

実際には何も詰まっていないので、何とも不快で違和感をずっと感じている状態です。

原因を一言で言うなら、「ストレス」。

イライラや落ち込み、憂鬱など精神的に強い・大きい負担の場合やあまり気にならない些細なストレスや憂鬱感が長期的に続くなども原因となります。

ストレスは「氣」の流れに大きく影響します。

始めは滞り、やがて流れを変えることになります。

喉のつかえ・違和感は、主に「氣の流れや流れ自体のリズム」が滞っている氣滞により引き起こされます。

「氣の流れ・リズム」は、五臓で言う「肝」の働きによるもので、「肝」の機能調整が悪くなると、氣が巡らなくなります。

行き場を失った「氣」は、流れを変えます。

喉のつかえ・違和感は、流れを失った「氣」がのどの辺りに起こっている状態です。

 

「血」「水」はそれぞれ単独で動くものではなく、「氣」の働きによります。

行き場を失った「氣」は、「血」「水」の流れにも影響を及ぼします。

​それぞれ滞り、血の流れが溜まると血瘀、水の流れが溜まると水滞と言った症状を引き起こします。

 

そのため、「気滞」の症状だけでなく、「血瘀」「水滞」の症状もプラスされるため、多くの症状が現れるようになります。

〈喉の違和感以外の症状〉

動悸・息切れ・吐き気・腹痛・胃腸が弱い・食欲低下・胸や脇腹に圧迫感や痛みがある・げっぷが多い・胃酸が上がってくる・ガスが溜まりやすい・暑い寒いを繰り返す・ため息が多い・憂鬱気味・気分の変動が激しい・疲れやすい・興味がわかない・集中できない・行動力が落ちる・浮腫みやすい・睡眠トラブル・頭痛など

​02.喉の痞え・違和感と鍼灸治療

東洋医学的原因が

「気滞」

「血瘀」

「水滞」

にあることから総合的に「氣血水」の循環機能Upのツボや経絡へ施術を行います。

基本治療は「肝の氣」の流れとリズムを調えること。

喉の痞え・違和感以外の症状から、血水の流れを調整をプラスします。

胃腸トラブルを抱えている場合には、胃腸の機能バランスを調えます。

睡眠や胃腸に関するトラブルが強い場合には、自律神経も調えます。

症状にお悩みの期間や強弱によりますが、頭部、足の他背部、腹部への刺鍼及び施灸が多いのが特徴です。

喉の痞え・違和感以外の症状について、また、症状が起こりやすい時間や季節、出来事などをまとめておくと良いかもしれません。

​参考ツボ:太衝・三陰交・陰陵泉・足三里・血海・足三里・水分・大椎・膈兪・肝兪・脾兪など

施術風景1
腹診
腹部の灸

使用するお灸や鍼は、鍼灸経験や部位によって合うものを使用します。

灸と鍼の種類

​03.喉の痞え感とアロマセラピー

​鍼灸治療の考えの元、症状改善に合わせた調香をします。

リンパドレナージュをベースに行う事で、氣血水すべての流れを促進します。

特に「血瘀」「水滞」の場合は、リンパドレナージュで、体液(血液・リンパ液)・余分な水分排出や流れ促され、筋膜リリースでは、「気滞」による硬結(コリや硬さ)をほぐし、体液(血液・リンパ液)・余分な水分排出や流れを促します。

 

経絡トリートメントを対応経絡上に部分的に取り入れることで、氣の流れの促進・維持を図ります。

​参考アロマ:スィートオレンジ・ラベンダー・レモングラス・グレープフルーツ・ブラックペッパーなど

​鍼灸が苦手な方、冷えが強く出ている時には、刺さない鍼やホットストーン、アロマ、フェイシャルケアなどへの切り替えもしくは施術に組み込みます。

ホットストーンマッサージ
ローラー鍼
頸部・首のアロマケア

​04.現代医学的考え方

現代医学では、「咽喉頭異常感症(ヒステリー球)」と言われ、実際には異常はなく、ストレスや月経・妊娠・出産・閉経期などホルモンの変動が原因と考えられ、30~60代の女性に多いとされています。

ほかに、逆流性食道炎やカンジタ性食道炎、鉄欠乏性貧血、食道がん、甲状腺疾患などが原因とされています。

長期に続く場合は、消化器系や耳鼻科での診察や心療内科での診察が適しています。

​05.施術を受けるタイミング

​食事への影響や体重の増減などが現れる前に、出来るだけ早い時期にいつでもお受けいただけます。

​06.のつかえ・違和感と栄養と腸活

喉のつかえ・違和感にお悩みで胃腸の不調やトラブル症状をお持ちの方は、同時に栄養の摂り方、食事の仕方、腸活を同時に行う事を推奨します。

胃腸の機能を調えて養うことで、食事から得られるエネルギー(後天の精)の吸収や蓄積が可能になるためです。

 

〈胃腸を調えるためのステップ〉

Step1 胃腸の負担を減らす

①満腹にしない:食べられるけどお腹いっぱいになるかも程度で食事は終了

②食事は寝る3時間前まで:難しいなら2時間前まで

③夕食は軽めに:寝るだけなので、少な目でOK

④しっかり噛む:咀嚼も消化活動の1つ

⑤冷たい物・熱すぎるもの・生もの・乳製品・甘いものを控える

⑥食後すぐ横にならない

 

Step2 カラダの除湿

①乳製品、人工甘味料を控える

②発汗する(運動・入浴・足湯・サウナなど)

③お茶:トウモロコシのひげ茶、ハトムギ茶

Step3 氣血を養う

①バランスの良い食事

②3大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)をしっかり摂る

③温かいものを摂る

上記3つとも推奨ですが、Stepで進めることも重要です。​

食事から行う事は簡単ですが、疲労した胃腸では吸収をすることが出来ません。

逆効果になるので、出来れば、Step順で。

「控える」から「避ける」へのStepも踏んでいきましょう。

特にStep1は大変かもしれませんが、カラダの中に余白があると氣血水も余白に向けて流れやすくなり、貯蓄できるようになります。

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