頭痛
〈 偏頭痛・群発性頭痛・緊張性頭痛・後頭神経頭痛 〉
01.頭痛の種類
頭痛には「一次性」と「二次性」があります。
一時性頭痛は、ストレスや姿勢、生活習慣などがきっかけで起こる頭痛。
二次性頭痛は、クモ膜下出血や脳腫瘍などの脳疾患や副鼻腔炎、うつ病などが原因で起こる頭痛で、見逃すと危険な頭痛です。
㊟今までない感じたことがない痛み・徐々に強くなる痛み・痛みと共に吐き気やめまい、嘔吐する、視界の変化やしびれ、発熱や発疹が出た場合はすぐに医療機関へ
一次性頭痛の中には、血管の運動による偏頭痛(片頭痛)・群発性頭痛と筋肉の緊張による緊張型頭痛、神経による後頭神経痛あります。
鍼灸での適応可能な頭痛は、一次性頭痛になりますが、二次性頭痛の副鼻腔炎やうつ病に関しては、適応となります。

02.頭痛が起こるメカニズム
脳の内外の血管や頭につながる神経が圧迫、炎症などの刺激を受けたり、頭や首の筋肉が伸び縮みすると、それぞれの部位で痛み刺激を受け取り、反応することで起こります。
03.偏頭痛

偏頭痛(片頭痛)は血管性頭痛とも言い、血管の収縮により痛み起こります。そのため、動作に連動したり(頭やカラダを動きと伴う)、入浴したり、また、心拍に伴うリズムで起きます。
前兆症状があることが特徴的で、緊張型頭痛と併発することがあります。
〈痛みの表現〉
□ズキズキする
〈痛みの特徴〉
□拍動を伴う(心拍に伴って痛む)
□片側に起こる
□発作的に起こる
〈偏頭痛(片頭痛)の前兆症状〉
□目がチカチカ、キラキラしたり、視野が狭くなったりする(閃輝暗転:せんきあんてん)
□回転性のめまい
□音や光に敏感になる
□チクチク感や感覚が鈍くなる
□言葉が出にくくなる
□吐き気や嘔吐
などの症状が出ることがありますが、ない方もいらっしゃいます。
〈好発〉
女性の20~40代の方に多く見られ、月経周期により症状が現れる方も多い頭痛です。
〈原因〉
□精神的ストレス(解放されたときに起こりやすい)
□過労
□寝不足or寝すぎ
□食べ物:チョコ、チーズ、トマト、オレンジ、赤ワイン
□月経
□人ごみや騒音などの刺激
□天候変化(気圧変化)
などがあげられます。
が、実のところはっきりしておらず、三叉神経を刺激し、連鎖反応的に血管の拡張や炎症が起きているのではないかと考えられています。
04.群発性頭痛

群発性頭痛も血管性の頭痛の1つ。
片側の目の奥(目の周辺)からこめかみ周辺、前頭部(おでこの辺り)や側頭部にかけて、激しい痛みが起こります。
前兆症状は特にありません。
〈痛みの表現〉
□ズキーン
〈痛みの特徴〉
□1日に複数回繰りかえし、数日~数か月続く
□頭痛の期間を繰りかえす
□痛む方の目の受決や涙、鼻水、鼻づまりがみられる
□片側に起こる
□発作的に起こる
□睡眠中に起こる(目が覚めることも)
〈好発〉
男性の20~40代の方に多く見られる。(近年は男女差は少なくなっている)
〈原因〉
□精神的ストレス
□飲酒
□たばこ
□血管拡張剤
□気圧変化
などがあげられます。
05.緊張型頭痛

一次性頭痛の中で一多いとされるのが、緊張型頭痛です。
後頭部、こめかみ、額を中心に頭重感(頭が重い)、圧迫感、締め付け感がジワジワとおこり、しばらく続きます。
痛みの程度も軽度~中程度で、日常生活に支障が出ることは少ない痛みです。
偏頭痛(片頭痛)と併発することがあります。
〈痛みの表現〉
□ギューっと締め付けられる
□キツイ帽子や輪っかをかぶったよう
など
〈痛みの特徴〉
□両側に起こる
□痛みが持続する
□拍動はない
□日常動作では悪化しない(痛みは強くならない)
□締め付けられる痛み
□頭重感、鈍痛
□午後から夕方に起こる
□吐き気
□肩こり
□首こり
□光もしくは音に過敏になる
〈好発〉
年齢や性差はない
〈原因〉
□精神的・身体的ストレス
□長時間同姿勢
□猫背
□運動不足
□眼精疲労
□顎関節症
□頸部の外傷や頚椎症など
などがあげられます。
06.後頭神経頭痛(神経痛)
文字の通り、後頭部にある神経によって起こる痛み。
後頭神経の分布範囲で起こるため、後頭部や後頚部、耳の後ろ側に起こる頭痛です。
痛む部位は頭部ですが、後頭神経は、頭皮の感覚神経の1つで皮膚の痛みのため、深刻な事態にはなりません。
〈痛みの表現〉
□チクチク、キリキリ、ジリジリ、ジンジン
□ピリッと一瞬電気が走るような痛み
〈痛みの特徴〉
□片側の頭頂から後頭部に起こる
□耳の後ろ側が痛む
□下あごの辺りが痛む
□痛みがないときも違和感やしびれ感がある
□痛むポイントがある
□痛みポイントを押すとありつく
□日常動作では悪化しない(痛みは強くならない)
□肩こり
□首こり
〈好発〉
年齢や性差はない
〈原因〉
□精神的ストレス
□長時間同姿勢
□運動不足
□猫背
□頸部の外傷や頚椎症など
□感染症(単純ヘルペス・帯状疱疹など)
などがあげられます。
07.施術を受けるタイミング
頭痛を感じていない時に初めての施術を受けていただいても大丈夫です。
痛みがあると外出が困難な場合があるので、痛みのないときが良いかもしれません。
●初診
ご自身の頭痛パターンが分からない方:無症状の時、予兆を感じた時
偏頭痛(片頭痛)にお悩みの方:無症状の時、予兆を感じた時、前兆症状が現れた時に「Oriental Therapy&オプション30分」
群発性頭痛にお悩みの方:無症状の時、予兆を感じた時に「Oriental Therapy&オプション30分」
緊張型頭痛のお悩みの方:無症状の時、予兆を感じた時、肩こり首コリが強い時などに「Oriental Therapy&オプション30分」
後頭神経頭痛(神経痛)にお悩みの方:無症状の時、予兆を感じた時、肩こり首こりが強い時などに「Oriental Therapy&オプション30分」
女性の場合:月経周期に関係がありそうな時はその時に「LunacycleTherapy60分」 もしくは 「Oriental Therapy&オプション30分」
●2回目以降
頭痛のケアの多くは、日ごろの体調管理につきます。
2~3週間に1回の間隔でのケアを推奨します。
08.具体的な施術方法とアロマ
お腹に触れて冷えや硬さ、触れたときの違和感などをチェック。
お悩みの頭痛に合わせた基本経穴(ツボ)や症状に関わるツボや経絡に触れてお灸や鍼、アロマトリートメントを行います。
頭痛だから頭部のみというわけではありません。場合によっては頭部に触れないこともあります。(その際はご説明いたします。)
参考)頭痛ケア経穴(ツボ):天柱・風池・完骨・膈兪、百会、玉沈など
おススメのAroma精油:ペパーミント・ユーカリラジアタ・ゼラニウム・クラリセージ・イランイラン・ラベンダー・スィートオレンジなど



使用するお灸や鍼は、鍼灸経験や部位によって合うものを使用します。

鍼灸が苦手な方、冷えが強く出ている時には、刺さない鍼やホットストーン、アロマ、フェイシャルケアなどへの切り替えもしくは施術に組み込みます。



〈ご案内〉
頭痛とは関係ありませんが、クモ膜下出血や脳梗塞などの脳疾患後の後遺症(手足のしびれ・感覚麻痺・運動障害など)は鍼灸適応となります。お悩みの方、お悩みのご家族の方がいらっしゃる場合はお声がけください。
保険適用施術や訪問施術も可能です。